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2015年7月4日土曜日

タイの容態(6/28公式発表)

(Facebook、ビラブド・コミュニティ 和訳文を転載)




プラムヴィレッジから6月28日付のティク・ナット・ハン氏の容体の公式発表がありました。

タイ(“先生”という意の師の愛称)はプラムヴィレッジに戻られてからめざましい回復を遂げ、ブラザー・シスター達の助けを借りて、歩くめい想やマインドフルな食事、歌うめい想を、喜びとほほえみと共に少しずつ再開されつつあります。

『Life is a Miracle~生きるという奇跡』と題されたプラムヴィレッジ公式発表より、以下に全文和訳を掲載します

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《公式発表》2015年6月28日
プラムヴィレッジ・フランス

全プラムヴィレッジ・センター
全プラクティス・センターと世界のサンガ
親愛なる友人の皆様

 
プラムヴィレッジにあるご自身の庵に4月初旬にタイが帰宅して以来、健康を大幅に回復されている様子を、こうして皆様にお伝えできることは私たちの何よりの幸せです。タイは毎日戸外へと出て、自然の中で花々や鳥の歌、樹の下でのひとときを楽しまれ、また30年以上も前に、手ずから植えた竹林の涼しさの中、小川の流れる傍のハンモックに横たわったりしながら、日々を楽しんで過ごされています。

 

医師と看護師の往診は今も続き、日々タイは理学療法とマッサージ、鍼灸治療を受け、付き添いの弟子たちがタイを24時間体制でサポートしています。

 

高齢にも関わらず、タイの回復にはめざましいものがあります。

 

ある日のこと、タイは固形物の飲み込みを再開することを自ら決められ、付き添いの弟子にりんごの用意を頼みました。その次はレモン、そしてアボカドでした。タイが一口一口、飲み込む前に40回以上もよく噛み、至福の面持ちで味わう様子には、誰もがとても驚かされました。気づきに満ちて味わおうとする、タイのマインドフルネスと集中力、喜びには素晴らしいものがありました。その日を境にタイは決意と集中力をもって自力で食べ物を味わい、食事を摂られるようになったのです。シスターたちは愛と創造性を発揮して、様々な滋養ある健康的な食事をタイのために用意し、タイは喜んで口にされています。そして日に数度の健康的な食事で十分な栄養を摂れるようになると、合併症を起こすこともなく無事に栄養チューブを取り外すことができたのです。これはタイの医師団にとっても驚きでした。タイは笑顔になり、私たちも皆ほほえみました。

 

ここ最近のタイは、弟子たちのハミングや歌に加わり、発声機能を取り戻し始めています。最初はシスターの一人が “Nam Mo Bo Tat Quan The Am.” ──観世音菩薩 ~偉大なる慈愛の菩薩~へのベトナム語の祈り──を唱えていたところ、タイが突然、最後の “Âm” (ウムと発音)を、はっきりと一緒に唱えられたのです。この“Âm”とは奇跡的にも『音』という意味を表す言葉でした。 その後タイが皆へと向けた輝くような眼差しは、“どんなことでも可能なのですよ”と言わんばかりで、ほんとうに感動的な瞬間でした。そして居合わせた弟子たち全員が集まってタイに加わり、このチャンティングを続けたのでした。この出来事を皮切りに、タイは毎日、ベトナム語・英語・フランス語のお馴染みのプラムヴィレッジの歌をすべて歌ったり、あるいはハミングして楽しまれるようになりました。現時点でのタイはメロディーを発声し、時には単語を発語することができます。手振りで歌詞の意味を表すことができ、正確な発語に成功するたびにタイは喜びを表し、また周囲を感嘆させています。
  

タイの強い回復の意欲を目の当たりにした療法士の先生方は、これはリハビリにおいて最も大切な要素であると評価されました。体力とバランス、姿勢の回復にタイは非常に努力しています。タイははっきりと意思表示をされ、現在では支えなしで、まっすぐに美しい姿勢で座ることができています。この3週間というもの、右半身に麻痺を残しながらも、タイは再び歩く意欲を示し続けています。一人に後ろから支えられ、もう一人に右足を進めてもらい、タイは今、日に数度、庭で歩く瞑想を再開しているのです。その一歩一歩の中にタイの喜びと自由があることが、私たちにも感じられます。タイが一歩を歩むには大きな努力を要しますが、その一歩ごとがタイにとっての勝利であり、この美しい母なる地球の上で生きている歓びの証しであることが、私たちにも見て取れるのです。
  

時折、ブラザーとシスター達150人から成る出家者のコミュニティが集い、タイと歩く瞑想を実践しています。先週の歩く瞑想では、タイが弟子たちと対面する喜びや、サンガを率いて歩く瞑想される幸せな様子に、私たちも触れることができました。タイは青空や、風に揺れる竹を指差し、ブラザーたちのひとりに微笑みかけては、今この時を楽しむよう、皆を導いて下さいました。肉体的な制約を受けながらも、タイの勇気と決意、そして喜びは、健康な足であとに続く私たちにも明らかな教えでした。一歩一歩、どんな条件のもとにあっても、タイはたゆまぬ実践をしてみせ、それはタイが決して実践の道を去ることのない意志の証しでした。タイは私たちがこの実践の道を歩み続け、生きる神秘を味わうことを力づけて下さいました。
  

この何ヶ月もの間、タイとサンガを愛を込めて支えてくださったすべての皆様にお礼申し上げます。皆様の慈愛と祈り、そしてタイのために深くマインドフルな実践を続けてくださった献身に、深く感謝致します。また、タイの部屋に飾るために子供たちの描いた素晴らしい絵を送ってくださった方々、真心のこもった寄付を送り、タイを支えてくださった方々に特に深くお礼申し上げます。
  

プラムヴィレッジの池では蓮の花が咲き、果樹園ではプラムが実りはじめました。プラムヴィレッジの全ハムレットでは、7月の一ヶ月間、毎週約800人の夏リトリートの参加者をお迎えする準備が始まっています。一年の中でもこの夏リトリートはタイのお気に入りの時期です。タイの教えを継ぐ昔からの高弟たちが、タイの継続として教えを説き、ご家族連れや子供達の参加も歓迎されます。夕刻前の陽射しの中、樫の林や竹林の木陰やベランダで、お互いを深く分かち合う友達同士の輪が見られ、鐘の音が鳴り響く中、心を開く涙が流されることでしょう。

 

9年前、タイはこう質問されました。
『今年80歳になられますが、いつか精神的な指導者から引退されることはお考えですか?』

 

タイの返答は次のようなものでした。

 

『「教え」というものは言葉だけでなく、私たちが生きる人生そのものから伝わる~と仏教では考えます。あなたの生き方そのものが「教え」であり「メッセージ」となるのです。つまり、私が坐り、歩き、食べ、サンガと関わり続けること即ち、私が教え続けているということなのです。法話を行う師家(ダーマ・ティーチャー)たちには、すでに私に替わって法話をするよう勧め始めています。多くが素晴らしい法話をしています。中には私のより良い法話もあるのです。私は自分の弟子たちの中に自分自身の継続を観ています。私に引退はありません。教え続けて行きます。法話を通してでなくとも、坐り、食べ、ほほえみ、サンガと関わることで、私は教え続けます。私はサンガと共に在りたいのです。もし法話をしなくても、歩く瞑想・坐る瞑想・マインドフルな食事などには参加したいですね。何も心配しないでください。人々はプラクティスのエネルギーに触れると、感化され、ひらめくのです。教える為に必要なのは「語る」ことではありません。自分自身の人生をマインドフルに、深く生きることなのです。』

 

インスピレーションに満ちたこのタイの言葉は、今年のプラムヴィレッジの夏リトリート、8月のEIABドイツ語リトリート、秋のアメリカ・ツアーで、何千人もの皆様のリトリートを導く私たちの指針です。どうぞご参加下さい。

 

プラムヴィレッジ夏リトリート(英語)
http://plumvillage.org/retre…/…/summer-opening-retreat-2015/

 

EIABドイツ語リトリート(英語) http://tnh.eiab.eu/german-retreat/

 
2015秋アメリカ・ツアー(英語) http://www.tnhtour.org/

 
どうか 皆様が 愛する人たちの存在を 心から愛おしみ
共に歩むことを 満喫されることができますように

 

愛と信頼をこめて

 

プラムヴィレッジ僧侶一同

 

※タイの容体は現在安定しており、回復は長い道のりとなるため、容体のお知らせは以降、定期ではなく随時となります。世界のプラムヴィレッジ・コミュニティの皆様にはタイの健康状態の大幅な回復があった時のみ、お知らせいたします。

 

タイの容体の公式発表はプラムヴィレッジ公式ホームページ(英語)plumvillage.org,(ベトナム語) langmai.org, (フランス語)villagedespruniers.org, もしくは公式Facebookページ(英語) www.facebook.com/thichnhathanh でご覧頂けます。

 

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<Plum Village Official Announcement> 

 

"An Update on Thay’s Health: 28th June 2015"
2015年6月28日付プラムヴィレッジ公式発表(英語)
http://plumvillage.org/…/an-update-on-thays-health-28th-ju…/

 
*Photo: Thich Nhat Hanh in Hong Kong, 2013. Photo courtesy Kelvin Cheuk