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2015年9月13日日曜日

タイの容態〜公式発表9/8

(Facebook ビラブド・コミュニティーより転載)


9月8日、プラムヴィレッジからタイことティク・ナット・ハン師の容体の公式発表がありました。2か月前の渡米直後には疲れがあったものの、集中療養が実を結び始め、タイは昨年の脳いっ血以来初めて言葉を口にされ、麻痺した右足には回復のきざしもあります。肉体的な制約に阻まれてもタイが人々をいまこの瞬間へと帰り命の神秘に触れるよう導き続ける姿勢はそのままです。"Realizing Thay's dream~タイの夢を現実のものへ" と題された9月8日付公式発表より、以下に全文日本語訳を掲載しています。 smile emoticon _()_

An Update on Thay’s Health: 8th September 2015(英語)
http://plumvillage.org/…/an-update-on-thays-health-8th-sep…/

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《公式発表》
2015年9月8日
プラムヴィレッジ・フランス

全プラムヴィレッジ・センター
全プラクティス・センターと世界のサンガ
親愛なる友人の皆様

タイが脳いっ血の回復の集中療養を望まれ渡米されてから2ヶ月が経ちました。愛の共同体であるサンガの皆様からの信じ難い程のご支援のお陰であらゆる治療様式の中からタイに最もふさわしい医師・療法士の先生方に治療に携わって頂くことができました。皆様にタイが西洋・東洋・伝統医学、また代替医療の中から最も適した治療受けられていることをこうしてご報告できることを嬉しく思います。カリフォルニア大学サンフランシスコ医療センターの稀なる医療チームの監督とご支援によって、タイは毎日、鍼灸治療、理学療法、言語障害治療、整骨治療・ニューロフィードバックを施されています。

タイの高齢と脳いっ血の重症度、またさまざまな健康上の複合的問題から、回復は困難を極めています。理学療法を始めた当初、タイはご自身のためにつくられたプログラムに療法士の先生方と非常に熱心に取り組まれていました。私たちがタイの治療の準備していると、タイの様子からは喜びに満ちた決心が皆に伝わって来るほどでした。「タイ、理学療法の支度をしましょう」と私たちが声をかけると、「レッツ・ゴー!」とでも言うように、タイは拳を突き上げてほほえむのでした。

しかし、渡米直後のタイは、疲労と体調の辛さから十分に治療に取り組むことができてはいなかったのです。このため医療・療法チーム全体の先生方が協力され、良質な睡眠・注意力・快適さ・安心をタイが得て治療に取り組めるよう統合的なプログラムが組まれました。

最近での大きな進歩は、タイが免荷式歩行器を使っているとき、麻痺の右足がわずかに動作し始め、歩行運動の兆しを見せ始めたことでした。

また、この二ヶ月間でタイは3人の言語障害療法士の訓練を受けられました。この内の一人の先生との訓練で、タイは脳いっ血を起こしてから初めて言葉を話すことができたのです。この日は記念すべき日となりました。皆様とタイの最初の言葉をここで分かち合えることを幸せに思います。

In, out (吸う・吐く/数回)
Happy (幸せ/数回)
Thank you (ありがとう/数回)
“Vui quá” (とても幸せ/ベトナム語)

この時の様子はまるでガイド瞑想のようでした。皆が涙と笑いに同時にくれました。そしてタイもまた同様でした。

残念ながら、タイにここまでの言葉の進歩を助けてくださった言語療法士の先生は、サンフランシスコからは遠方にお住まいで3日後には帰らなければならず、その後のタイの進歩は多少勢いを失ってしまって、別の先生方との訓練を試みてみたものの、未だに当初ほどの著しい進歩はありません。私たちは週に何度かタイを訓練可能な、できればベトナム語に堪能な言語療法士を今もサンフランシスコで探しています。

治療以外にもタイは週に二回は浜辺を訪れ、美しい街並みやゴールデン・ゲート・ブリッジを眺め、自然と太平洋の空気に触れて、サンフランシスコ沿岸を楽しまれています。毎日タイは私たちに命の神秘を楽しむよう呼び覚まし続けて下さっています。私たちが今この瞬間に帰って来れるよう、タイはよく私たちに青空を指差してみせるのです。またタイは時々遊び心たっぷりに先生たちと役割を交代しています。ご自身の唇に指をあてて見せては、先生を『止まる』ように招く、といった風に。

こうした時、しばしばタイは先生がマインドフルに一杯のお茶を楽しめるように、私たちにお茶を用意をするように指示されます。ある時、療法士の先生のお一人がタイの傍らにひざまずいて窓の外を眺めて沈黙すると泣き出してしまわれたのです。この時がおそらくは人生で初めて本当の意味で止まって、空の青さを楽しんだ経験だった、と後でこの先生は話してくださいました。

またある時、タイの親友がお見舞いに来られて、愛する人の可能な限りの回復を望むという自然な願望と一瞬一瞬の中に深く生きようとする意志をどう両立できるのかを、ご自分の経験から、こう分かち合ってくださいました。タイとのあらゆる瞬間は“贈り物の瞬間”であり、私たちがするべくは、ただこの贈り物である瞬間を慈しむこと。タイが呼吸し、ほほえみ、青空を楽しむことのできるすべての瞬間が贈り物の瞬間であり、私たちが何も期待することなく、あるがままを穏やかに受け入れ、人生をこよなく楽しむことを呼び覚ますための贈り物であると。
 
これはヨーロッパと、また現在アメリカで大規模マインドフルネス・リトリートを続ける私たちが目指す精神です。実践する人々の愛の共同体をつくることがタイの長い間の真摯な願いであることを私たちは知っています。そして何千もの仲間たちが集まり、勇気づけられ、よろこびを共にし、フランス、ドイツ、或いはいま5日間のリトリートを終えたばかりのニューヨーク州のブルー・クリフ修道院で、この夢を現実にしてきたのです。私たちは星空の下に坐る黙想で、また小川の傍や森の小道を歩く瞑想で強い集合エネルギーを生み出し、共に歌い、笑い、涙しては、共同体であることの奇跡を祝福してきました。このリトリートでタイの存在が私たちと共にここに在ることが、私たちにははっきりと理解できるのです。タイはサンフランシスコにのみ留まっているのではないのです。
それはちょうど、2009年、健康上の理由でコロラド・リトリートに来ることのできなかったタイが話された言葉通りに。
 
The presence of the Sangha carries Thay’s presence. Please let me walk with your strong feet, breathe with your healthy lungs and smile with your beautiful smiles.
 
“サンガの存在とはタイの存在を宿しています。どうぞあなた方の力強い足で私を共に歩ませ、健康な肺で共に呼吸をさせ、美しい微笑みで共に微笑ませてください。”

皆様がマインドフルな呼吸と歩みとやさしいほほえみで、実践を生かし続けてくださることに深く感謝申し上げます。私たちが共に集い、マインドフルネス・慈愛・洞察の強力な集合エネルギーを生み出すとき、私たちはタイの願う、共同体としての未来を現実のものにしているのです。平和と幸せと癒しを自分自身と世界へともたらすタイの功績を引き継いでいく道を私たちは共に見出していきます。

どうぞ今秋、アメリカでのプラムヴィレッジ・リトリートや催しにぜひご参加ください。
tnhtour.org

愛と信頼を込めて
プラムヴィレッジ僧侶一同

タイのご回復の公式発表は随時以下のサイトに投稿致します。
plumvillage.org(英語)langmai.org(ベトナム語) villagedespruniers.org,(フランス語) www.facebook.com/thichnhathanh (Facebook/英語)
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[Photo: Paul Davis]